システムエンジニアと聞くと、何か資格が必要というイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか?
認識として、大きく間違っていません。
確かに資格を持っていると、面接時や入社後も役立つ場面というのは出てきます。
しかし、システムエンジニアになる上で、IT系の資格は必須なのでしょうか?
今回は実際にIT企業で働く私が、システムエンジニアに資格が必要なのか、解説していきます。
目次
システムエンジニアに資格は必要なし!
早速ですが、システムエンジニアに資格は必要なのでしょうか?
結論から言います。
システムエンジニアに資格は必要ありません。
なぜなら、システムエンジニアの仕事は医者や看護師などの職種とは異なり、資格を所有していることが絶対必要ではないからです。
実際、私は某IT企業でシステムエンジニアとして働いていますが、周りのシステムエンジニアで資格を持っていない人は多くいます。
しかし、IT企業に入社する時は資格を持っていなくても、入社後に取得する人が多いです。
その理由としては、下記の通りです。
- 企業から取得を勧められる
- 資格手当が出る
特に資格手当の充実しているIT企業は多いです。
資格を取得すれば、一時的に報奨金が出る、または給与が上がるのどちらかのパターンがほとんどです。
新卒者と転職者で資格の必要度は異なる
当たり前のことですが、仕事に就く人は新卒者と転職者に別れます。
ここで押さえておきたいのが、システムエンジニアの職種に関しては、新卒者と転職者で資格の必要度が異なってくる点です。
なぜ必要度が異なるのか、それぞれ見ていきましょう。
新卒者には資格ではなく、向上心が大切
IT企業が新卒のシステムエンジニアに求めているものは何でしょうか?
もちろん、資格を持っているに越したことはないでしょう。
しかし、それ以上に重要視しているのは、新卒者の向上心です。
IT技術というのは日々進歩しており、システムエンジニアは既存の技術だけでなく、新しい技術も勉強していかなければいけません。
つまり、ITスキルを積極的に取り入れていく向上心が大切です。
また、大学で得たスキルと社会に出てから得るスキルは、全く別物という考えの企業もあります。
その根拠の一つとして、下記表をご覧ください。
こちらはIT技術者の専攻別最終学歴となっています。
当然ながら理系出身者が多くなっていますが、文系出身者も約30%~40%となっています。
文系出身者は資格を取得していない方がほとんどなので、IT企業は資格を取得していない人でも、積極的に採用しているのがわかりますね。
資格を持っていないからといって、不安がることはないでしょう。
転職者は即戦力であることのアピールが大切
転職者は新卒者とは異なり、自分は企業に即戦力であることをアピールしなければなりません。
企業が即戦力さを評価する指標の一つが、資格です。
なので、転職者はIT系の資格を取得している方が有利です。
また、ITスキルのアピールを資格取得状況以外でするのは、少々難しくなっています。
例えば、自分がネットワークの分野を得意としている場合、そのスキルを証明するには資格を取得していることが一番のアピールとなります。
もし資格を取得していなければ、前職の体験談からスキルをアピールすることになりますが、コミュニケーション能力が高くなければ、アピールも難しくなります。
ネットワーク系の資格の場合、「ネットワークスペシャリスト」の資格があるので、取得していることがスキルの証明となるでしょう。
システムエンジニアの求人は多い?
システムエンジニアは人手不足のイメージがありますが、本当に人手が足りていないのでしょうか?
まずは下記データをご覧ください。
2019年現在で約26万人の人材不足、さらに2030年には約44万人の人材不足に陥ると言われています。
なので、システムエンジニアの求人は多いと考えて良いでしょう。
また、この状況が影響してか、IT企業の求人にも「スキル不問」としているようなIT企業も非常に多いです。
もちろん、転職者のキャリア採用にはスキルが必須となっています。
資格を所有していなくてもやっていけるの?
システムエンジニアには、資格が必ずしも必要ではないことをご紹介しました。
まずは、これで一安心された方も多いのではないでしょうか?
しかし、実際文系出身のシステムエンジニアが多いというデータがあっても、スキルの全くない自分がシステムエンジニアとしてやっていけるか、不安な方もおられるでしょう。
確かに、理系出身と文系出身の人では、いくら学生時代と社会のスキルが違うといえど、スタートラインは理系出身者の方が一歩進んでいると考えた方が良いです。
例えば、学生時代にやっていたプログラミング言語が入社先の企業で使用されていないとしても、プログラミングの概念を知っているのと知らないのとでは、スタートラインに違いが出るでしょう。
しかし、そのようなことは採用企業も百も承知です。
それでは、企業は他に理系出身の人材がいるにも関わらず、何故スキルや資格を持たない人を採用するのでしょうか?
その理由は、豊富なスキルアップ制度を持つ企業が多いからです。
IT業界は先述の通り、技術が目まぐるしいほど日々進歩しています。
そのような不足している技術やノウハウを補うために、企業は積極的にスキルアップ研修を組んでいきます。
私の会社の場合、下記のようなスキルアップ研修が行われています。
- 先輩トレーナーによるマンツーマン指導
- 外部講師を招いた研修
- 外部Webサイトを使用した有料プログラム
例えば、3つ目の外部Webサイトを使用した有料プログラムの場合、「Progate」というサービスを利用しています。
個人であれば有料であるサービスを、会社負担で利用することができます。
このような研修制度が整っているかは、システムエンジニアにとっては非常に重要です。
IT系初心者におすすめの資格
システムエンジニアに資格が必須ではないといえど、やはり知識を保有している方が、面接時も入社後も優遇されるのは確かです。
それでは、どのような資格から取得していけば良いのでしょうか?
初心者の方におすすめの資格は、下記の通りです。
- ITパスポート
- 基本情報技術者試験
- 情報セキュリティマネジメント試験
IT系の資格は国家資格となっており、どの試験も難易度は決して低くありません。
しかし、IT系の企業に就職する上では、どの知識も必ず業務で役立ちます。
これから資格取得を目指す方は、IT知識の基本となる「ITパスポート」の取得から目指すことをおすすめします。
まとめ
システムエンジニアの職に就く上で資格が必要なのか、ご紹介しました。
結果としては、システムエンジニアに資格は必ず必要というわけではありません。
現にIT系の職種に従事する人の3、4割方は文系出身で、私の会社でも文系出身のシステムエンジニアがプログラミングを行っています。
しかし、資格を所有していれば新卒者、転職者限らず、採用上は有利になる可能性は高いです。
最後までお読み頂きありがとうございました。